以前、小金井市ストーカー事件について取り上げましたが、今回はストーカーについてもう少し深く扱おうと思います。
:岩崎友宏被告の事件からストーカーについて考える
『復縁したいけれど、自分はストーカーになっていないだろうか?』。
そう思い、不安な気持ちでジースタイルにお電話をくださるお客様がいらっしゃいます。
自分で自分がストーカーなのかどうかの判断は難しいこととは思いますが、以下をお読みになり、
- 今自分はストーカーではないか?
- 今後ストーカーにならないためにはどうすれば良いか?
- ストーカーになったらどうすれば良いか?
等、参考になさってください。
また、知ることでもし心のバランスが崩れたときに、「あ、今の自分って、ストーカーの思考パターンと似ているかも」と気付くことができます。
今ストーカーをしている人も、今はそうではない人も、是非お読みください。
ストーカーの思考と生態
『自分はストーカーである』。
そのように自覚のあるストーカーは、多くありません。
というか、ほとんどいません。
自分がしていることが“ストーカー行為”なのか、それとも“ちょっと行き過ぎた恋心”なのか。
自分で分別がつく人は、なかなかいないでしょう。
また、ストーカー行為とまでは思っていなくとも、それでもなんとなくは悪いことだと自覚しつつ、止めることができない人が多数であると思います。
育った環境がストーカーの素地を作る
ストーカーになる理由は様々ありますが、ひとつには生育環境に理由があると言われています。
子供の頃に身の回りの大人に対して我が儘、例えば「お菓子を買って!」などを言った経験は、どなたにもあるでしょう。
そこで徹底的に拒否され、わめいても何をしても自分の思うとおりにならない(我が儘が通らない)ことが世の中にはある、と学ぶことが通常です。
また、学生時代に恋愛をして好きな人が出来て告白してフラれるなど、人は生きて経験を積む中で否定され、人間関係においての挫折を味わい成長します。
しかし、運良く(もしくは悪く)否定されることが少なく、人間関係の挫折を経験しないままに大人になると、スーパーでだだをこねる子供のように「ごり押しすれば自分の意見が通る」との思考になってしまうそうです。
そのような欲求が満たされない経験の少なさがストーカーを作り上げ、その思考が恋愛に反映された場合がストーカーの始まりです。
ストーカーの思考の恐ろしさ
通常の思考の人は、自分は自分・他人は他人と個別にとらえコミュニケーションを駆使し人間関係を構築しますが、ストーカー(気質)の人はそれが出来ません。
育った環境の影響により、挫折をしたり拒絶・否定をされた経験が少ないストーカーは、自己の中に相手が存在すると捕らえ、“相手は相手”“他人には自分と違う自我がある”と、自己と他者を切り離して考えることができなくなるのです。
そのため他者に依存的でありながらも支配的で、自分の思うとおりに相手をコントロールできず他者に翻弄されることが、非常なストレスとなります。
ともすれば人格障害とも言えるその性格は、加害行為をしながらも被害者意識が強いのが特徴で、「自分の思う通りにさせてくれない相手が悪い」となり、その報復行為に近い感情で暴力が発動します。
また、以前のストーカーの投稿でも挙げました通り、拒絶されることに過度に敏感であることも、ストーカーの恐ろしさにつながります。
ストーカーは自分の欲求が無条件に受け入れられると思っており、愛されることに対して強い飢餓感があります。
離別後にストーカーになる人がこの傾向が強く、一度愛してもらったことで“愛されること”“受け入れてもらえること”の心地よさを覚えてしまっているために、それらの心地よさを取り戻したく思って、ストーカー行為に奔るのです。
過去は過去として切り離すことが出来ず、被愛妄想も相俟って、「取り戻せる」と思い込んでしまうのでしょう。
愛は花、取り戻すことはできません
復縁において、わたし個人の考えではありますが、愛は取り戻すことは出来ないと思っています。
愛は花と同じです。
一度枯れてしまうと、二度と蘇生することはありません。
しかし、新たにまた種を植えて、育てて花を咲かせることはできると思っています。
枯れてしまった以前の愛を糧に、人間性という土壌を整え、思いやりという日光を与え、想いという水を注ぐことで、また花を咲かせることはできるのです。
土が良くなければ栄養が足りず育ちませんし、日が強すぎれば枯れ、弱くても育たず、水を与えすぎれば根腐れを起こしこれもまた育ちません。
全てを適量で与えることが、花を咲かせるコツであり、愛を育み咲かせるポイントです。
「取り戻す」。
ストーカーだけに限らず、取り戻すことだけに固執してしまい何の成長もないままでは、復縁はできない(復縁工作で友人としての縁は取り戻しても、お付き合いはお断りされる)傾向が強いように思います。
被愛妄想と支配欲
ストーカーの思考について考える際に切り離せないものに、『被愛妄想』と『支配欲』があります。
前者については思考の不合理と呼ばれるもので、被愛妄想にまでなっていなくとも、恋愛にのめり込んでお相手様のことは勿論周りのことが見えなくなってしまっている場合によくありえるものです。
このような事態を避けるには、『第三者の目で自体を俯瞰し、思考をはじめ行動も含めて合理性がとれているか』を判断することが必要です。
以下で被愛妄想と支配欲について説明いたしますが、もし身近に相談できる人がいらっしゃらず不安な場合は、一度ジースタイルにご相談ください。
被愛妄想
被愛妄想とは、文字通り「自分は愛されている」という妄想です。
例えば親子関係や夫婦同士や恋人同士において、「自分は愛されている」と感じることは当然のことです。
しかし、ストーカー(的気質)の方の中では、仮に嫌われていても、それでもこじつけのような形で「自分は愛されている」と信じる(妄想する)ようになります。
避けられているのは、自分に会うのが恥ずかしいから。
「嫌い」と直接言われても、そうやって自分を試しているんだ。
対象者に恋人ができたら、本当は自分のことが好きなのに無理やり付き合わされているんだ、助けなければならない。
どのようなことが起こっても、「内心本当は自分が一番愛されている」「周りの奴らが自分たちを引き裂こうとしている」と考え疑わない思考が、被愛妄想です。
この被愛妄想でストーカーを開始し、どこかの過程で愛が憎しみ、例えば「自分を弄んだ」「利用した」と考えを発展させ、凶行に及びます。
支配欲
上記の被愛妄想と一緒に、支配欲が強いのもストーカーの特徴です。
好きな人が自分以外と話をしている場面を目撃して嫉妬をするのは一般的ですが、ストーカーの場合は度を越えます。
「他の奴と話すなんて許せない。自分が許可していない態度・行動をするなんて許せない」。
こうなります。
しかし、所詮他人のことなんて、夫婦や恋人同士であれ、100%は支配なんてできません。
その結果、どうなるでしょうか?
支配できなかった苦しさや悔しさが、支配“させてくれない”として、憎しみに変わるのです。
分かって欲しい、分からせてやる、分からないあいつ(対象者)が悪い。
このような支配欲、ゆがんだ自我が、様々な事件を起こす動機の部分です。
ストーカーにならないために
ストーカーの思考や特徴について説明いたしましたが、ストーカーにならない方法、なりにくくなる方法についてご紹介いたします。
以下の行動をとれば100%ストーカーにならないわけではありませんが、少なくともお一人で霧の中を歩むよりも、いくらかはお役に立てるものと思います。
また、復縁においても。身体の健康や心の健康を保つことは大切なことです。
離別後に不健康になってしまっている人と復縁したいと思ってくれる人はいません。
復縁工作よりも大切なことです。
自分はストーカーではないと自信があるお客様であっても、参考になさってください。
ストレス対策をする
まずは、とても簡単なことです。
- 充分な睡眠
- バランスの良い食事
- 定期的な運動
以上の3点は、精神の安定をもたらし人としての基礎を作りあげるためにも、非常に重要なことであります。
規則正しい生活を送り仕事をする生活は、適度な忙しさで、ストーカー行為への執着心を軽減してくれます。
(ストーカーまではなっていないとしても、)失恋のショックで抑うつ状態になっている場合の改善にも、規則正しい生活は効果的です。
太陽が昇る時間に起き、日光を浴びる生活をすることは、鬱症状の改善に効果があるとの研究結果が出ております。
暗く悲しい感情にとらわれると家に引きこもりがちになりますよね?
引きこもり太陽光を浴びなくなると、セロトニンという神経伝達物質が不足するのですが、それにより不安が止められなくなって落ち着くことができなくなり、鬱状態になるのだそうです。
朝起きて日光浴をし、きちんと食事を摂ってから働き、夜はゆっくりお風呂に入って寝る。
そのような生活習慣を取り戻すだけでも、気持ちの荒れが改善されますので、ぜひお試しください。
自分がしていることを「~くらい」と過小評価しない
「家の前を見張るくらい」「電話を何度もするくらい」「LINE(メール)を何度も送るくらい」「手紙を送るくらい」「職場に電話するくらい」など、自分がしている行動を過小評価してしまうと、「相手がどう思うか?」の思考が欠如してしまいます。
その結果、相手の都合を考えることができなくなり、行動の歯止めが利かなくなって、ストーカー的行為から本当のストーカーにランクアップすることになるのです。
ストーカーでなくとも、恋愛において「くらい」と考えることは、良くないことです。
自身にとっては「くらい」であっても、お相手様にとっては「くらい」どころではない不愉快な行為はたくさんあります。
お相手様と付き合いたい、復縁したいと思っていらっしゃるのであれば、相手を主体に考える癖をつけましょう。
相談できる相手を作っておく
ストーカーは、被愛妄想と支配欲で正常な判断が出来なくなっているために、『自分がストーカーである』との自覚がない場合がほとんどです。
また、上記の通り自分がしていることの異常さの自覚がないために、正常な判断でストーカー行為を止めることができません。
本格的にそうなる前に、「自分がしていることは異常なのではないか?」と判断してくれる、第三者を頼る必要があります。
下記の“ストーカーになってしまったら”にも書いておりますが、本格的に歯止めが利かなくなってお相手様を傷付け自分自身をも傷付ける前に、相談できる相手や場所を作っておきましょう。
弊社でもかまいません。
もし正常の範囲内でしたら依頼を下されば復縁に向けてご助力させて頂きますし、ストーカーになっていらっしゃると判断できた場合は、単刀直入にお伝え致します。
ストーカーになってしまったら
『ストーカーは自覚がない』と書きましたが、この投稿を読んでもし自分がストーカーかもしれないと感じたら、ストーカー加害者支援団体等を検索して、そちらに電話をしてみることをオススメします。
もしくは、近所の警察署に、ご自身で相談しても良いでしょう。
メンタルヘルスの病院に相談という手もあります。
とにかく、自分をコントロールできなくなって今以上にお相手様を傷付ける前に、第三者に助けを求めるべきです。
そうやって他者を介入させることで復縁できなくなるとお思いかもしれませんが、第三者に助けを求めることで冷静になることができご自身を改善することができれば、それだけでも大きな収穫です。
実際にストーカー加害者支援団体に相談し、自己改善できたことがきっかけで復縁ができたお客様もいらっしゃいます。
ストーカーでい続けて復縁を目指すよりも、そちらのほうがいくらも復縁できる確率は高くなるでしょう。
復縁は、大きな目標と言えます。
しかし、大きな目標を達成するには、まずは小さな目標の積み重ねが大切です。
自分ひとりでは見失いがちなその小さな目標たちを見つけるお手伝いも、弊社ではさせて頂いております。
『復縁したい』と思ってお一人で取り組む前に、一度ジースタイルにご連絡ください。
- ※ストーカー についての参考ブログ記事
- ⇒復縁とストーカーの違い
- ⇒小金井ストーカー事件の岩崎友宏被告のことから、ストーカーについて考える